プロフィール

大学を卒業してから2年足らずですが、東京で会社員をしていました。臨床心理士の仕事を始めたのは、郷里の新潟県にある精神科の病院でした。会社員を経て臨床の仕事を始めたのが、新潟県の精神科の病院でした。心理テストや個人心理療法、統合失調症やアルコール依存症のグループワークがおもな仕事で、13年間を過ごしました。精神分析(対象関係論)に興味をもち、スーパービジョンを受けました。
岩手県に転居したのは、皮膚科のクリニックで働くためです。アトピー性皮膚炎の患者さんたちが、全国から入院してきました。言葉によるアプローチの限界を感じて、箱庭療法と臨床動作法を学びました。とくに臨床動作法は治療効果と適用範囲の広さを実感できたので、研修を積んで学会資格をいただきました。5年間の勤務の間に院長が亡くなり、独立することにしました。自然に恵まれた岩手は、アトピー性皮膚炎と喘息があった子どもたちを、元気にしてくれました。いくらかでもご恩返しができれば、と思っています。

皮膚疾患(心身症)への取り組み

皮膚と脳は神経で密接につながり、深い関係にあります。ストレスが皮膚に現れて、また皮膚症状がストレスになります。アトピー性皮膚炎や脱毛症、多汗症は代表的な心身症ですが、じんましんや乾癬も心身症の可能性があります。しかし皮膚科での治療は塗り薬などの対症療法に限られており、心理的なアプローチはまだ一般的ではありません。
青年期のアトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、抱えきれない感情をかきむしることで解消しています。また症状で困っているというよりも、症状が「気になって」困っています。「気になる」ことから解放されると、外出も楽になり、結果的に症状も軽快してゆくことが多いです。慢性的な皮膚疾患にお悩みの方も、どうぞご相談ください。

論文

・言語表現の少ない思春期女性との心理療法 -箱庭と交互描きマンガの適用
 箱庭療法学研究 Vol.13: 29-44, 2000

・成人アトピーの心理と動作療法 MB Derma, 58: 45-48, 2002(全日本病院出版会)

・連載 臨床現場から動きを創る 第7回  地元での支援の展開
 臨床心理学 Vol.14 No.2: 294-297, 2014(金剛出版)

・東日本大震災避難所での動作法による災害急性期の心理支援
 心理臨床学研究 Vol.33 No.4: 401-410, 2015